GatherFriends〜MTG青春日記〜 第4幕
2005年7月4日 小説 かくして、デュエルが始まった。が、香田晶子のデッキは『香田晶子のデッキではなかった』。
【青黒リアニメート】
結花は苦戦を強いられた。いつもの香田のデッキではないため、完全にテンポを狂わされた状態になったのだ。
「《思考の急使》」
「……晶子。それ、あなたのデッキではないのね。」
「そんなこと、関係ありません。私はあなたに勝ちたいんです。」
香田は、ただ黙々とターンを進めた。デュエル場の周囲に、カジュアルプレイには程遠い緊張感が漂っていた。
ジャッジを務めていた関内も、今の香田の異変には気が付いていた。何かこの戦いに、『小金井結花』とのデュエルに全てを賭けている。そう感じられた。
「《目覚めの悪夢》です。カードを二枚捨ててください。」
「……。」
結花は何も言わず、《潮の星、京河》《清純な天使》を墓地に置いた。結花も、香田の心の内を感じているだろう。しかし、彼女をここまで動かしたものは一体何なんだろう。
(この勝負、晶子のためにも……。負けられない!)
「そちらのターン終了前に《肉体の裏切り》!墓地から《語られざるもの、忌話図》を場に戻します!」
「……させない!」
結花は土地からマナを生み出した。
「《偏光》!墓地の対象を《思考の急使》へ!」
「なっ!」
香田晶子の場に《思考の急使》が戻ってきた。
「……流石ね、結花。でも、ね。」
香田のターン、ドロー後に香田は呪文をプレイした。
「第1の誕生は命を祝し。第2の誕生は生命を模倣する……。逝け!《ゾンビ化》 よ!」
香田は、何度も結花のデッキと戦ったことがある。結花の【ハイランダー】には、『2マナで打てるカウンターも、除去も無い』事を知っていた。
結花の場で立っている土地は《水辺の学舎、水面院》《沿岸の塔》。普通の対戦相手には、カウンター持ちの『ブラフ』として有用な土地の立て方だが、香田は、結花がカウンターを持っていないことを知っているのだ。
「対象は、もちろん《忌話図》!」
「……それを、ある意味待ってたわ!」
カウンターの無いはずの結花は、迷わず2つの土地をタップさせ、青2マナを生み出した。
「……時には霊感を求め、時には目の前にそれがある。」
結花は自分の手札からカードを1枚、右手の人差し指と中指に挟み、テーブルの上に置いた。
「《双つ術》!《ゾンビ化》をコピー!」
結花は自分の墓地の奥、一番下のカードを示した。
「対象は、《潮の星、京河》よ。」
場に、《京河》が現れた。
晶子は、完全に結花の術中にはまったのだ。結花は、最初からこれを狙っていたのだろう。
「やるわね、結花。でも《忌話図》のトランプル+能力、忘れてはいないわよね」
香田晶子の言うとおりだった。この場合《忌話図》をどう扱うかで、勝敗は決まる。晶子はターンを終了した。
「アンタップ、アップキープ、そして、ドロー。」
結花はカードを引いた。そして、香田にこう言った。
「その《忌話図》、私のものにさせていただきます。」
結花は晶子に一礼し、スペルをプレイした。
「《押収/Confiscate》!!」
《忌話図》が結花の下に就く。香田晶子は何も言えなかった。ただ、次の引きがクリーチャー除去関係であることを願うだけだった。
「晶子。」
結花が口を開いた。
「この戦い、あなたには負けられない『何か』があるのでしょうけど……私は、あなたに勝って、その『何か』聞き出して見せるわ! 必ず!」
結花が《京河》をタップした。攻撃の合図だった。
【青黒リアニメート】
結花は苦戦を強いられた。いつもの香田のデッキではないため、完全にテンポを狂わされた状態になったのだ。
「《思考の急使》」
「……晶子。それ、あなたのデッキではないのね。」
「そんなこと、関係ありません。私はあなたに勝ちたいんです。」
香田は、ただ黙々とターンを進めた。デュエル場の周囲に、カジュアルプレイには程遠い緊張感が漂っていた。
ジャッジを務めていた関内も、今の香田の異変には気が付いていた。何かこの戦いに、『小金井結花』とのデュエルに全てを賭けている。そう感じられた。
「《目覚めの悪夢》です。カードを二枚捨ててください。」
「……。」
結花は何も言わず、《潮の星、京河》《清純な天使》を墓地に置いた。結花も、香田の心の内を感じているだろう。しかし、彼女をここまで動かしたものは一体何なんだろう。
(この勝負、晶子のためにも……。負けられない!)
「そちらのターン終了前に《肉体の裏切り》!墓地から《語られざるもの、忌話図》を場に戻します!」
「……させない!」
結花は土地からマナを生み出した。
「《偏光》!墓地の対象を《思考の急使》へ!」
「なっ!」
香田晶子の場に《思考の急使》が戻ってきた。
「……流石ね、結花。でも、ね。」
香田のターン、ドロー後に香田は呪文をプレイした。
「第1の誕生は命を祝し。第2の誕生は生命を模倣する……。逝け!《ゾンビ化》 よ!」
香田は、何度も結花のデッキと戦ったことがある。結花の【ハイランダー】には、『2マナで打てるカウンターも、除去も無い』事を知っていた。
結花の場で立っている土地は《水辺の学舎、水面院》《沿岸の塔》。普通の対戦相手には、カウンター持ちの『ブラフ』として有用な土地の立て方だが、香田は、結花がカウンターを持っていないことを知っているのだ。
「対象は、もちろん《忌話図》!」
「……それを、ある意味待ってたわ!」
カウンターの無いはずの結花は、迷わず2つの土地をタップさせ、青2マナを生み出した。
「……時には霊感を求め、時には目の前にそれがある。」
結花は自分の手札からカードを1枚、右手の人差し指と中指に挟み、テーブルの上に置いた。
「《双つ術》!《ゾンビ化》をコピー!」
結花は自分の墓地の奥、一番下のカードを示した。
「対象は、《潮の星、京河》よ。」
場に、《京河》が現れた。
晶子は、完全に結花の術中にはまったのだ。結花は、最初からこれを狙っていたのだろう。
「やるわね、結花。でも《忌話図》のトランプル+能力、忘れてはいないわよね」
香田晶子の言うとおりだった。この場合《忌話図》をどう扱うかで、勝敗は決まる。晶子はターンを終了した。
「アンタップ、アップキープ、そして、ドロー。」
結花はカードを引いた。そして、香田にこう言った。
「その《忌話図》、私のものにさせていただきます。」
結花は晶子に一礼し、スペルをプレイした。
「《押収/Confiscate》!!」
《忌話図》が結花の下に就く。香田晶子は何も言えなかった。ただ、次の引きがクリーチャー除去関係であることを願うだけだった。
「晶子。」
結花が口を開いた。
「この戦い、あなたには負けられない『何か』があるのでしょうけど……私は、あなたに勝って、その『何か』聞き出して見せるわ! 必ず!」
結花が《京河》をタップした。攻撃の合図だった。
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